2015年の派遣法改正についても見ていきましょう。
2015年の改正のポイントについて
2015年の改正は3年ルールが一番のポイントになると思います。
しっかりと理解していただき、人材派遣会社のご担当者は派遣先企業に説明出来るようにしましょう。
派遣先企業のご担当者の方も派遣法の理解を深めて下さい。
●専門業務 政令26業務の廃止
●3年ルール(3年抵触日)が開始
●労働者派遣業の許可性に一本化
●派遣労働者(派遣スタッフ)の均衡待遇の推進
●雇用安定措置の義務化
●労働契約申込みみなし制度
▶専門業務 政令26業務の廃止
専門26業務には派遣期間の制限がなく、それ以外の業務には原則1年、最長3年という制限が定められていましたが、2015年の改正によってその区分は完全に廃止に。
業務単位ではなく、すべての業務に対して事業所単位・個人単位で、通称3年ルールと呼ばれる派遣期間の制限が適用されることになりました。
▶3年ルール(3年抵触日)が開始
一般的に「3年ルール」といわれることがあるこの制度ですが、この「3年ルール」とは正式に【個人単位の期間制限】と【事業所単位の派遣期間制限】といい、派遣労働者個人と派遣先事業所の2つで注意する必要があります。
具体的には、同一派遣労働者を派遣先の同一組織単位内で派遣できる期間の制限が最長「3年」に定められました。
これが【3年ルール】(3年抵触日)です。
まずは、個人単位の期間制限(個人抵触日)について
・派遣労働者(派遣スタッフ)1人当たりの受け入れの上限が3年
例)
スタッフAさんがある企業に、2021年5月7日に事務員として派遣で勤務を開始した場合、満3年となる2024年5月6日までのしかAさんを派遣してはならないことになります。
これが、個人単位の期間制限(個人抵触日)の3年ルールです。
この【個人単位の期間制限】(個人抵触日)の例外の③ルールについて
① 無期雇用派遣
派遣労働者が、派遣元(派遣会社)との雇用契約で無期限の雇用契約をしてもらう【無期雇用派遣】になることができれば、長期安定が見込めるため、派遣先の同一組織単位で3年以上勤務することが可能となります。
② 60歳以上の場合
60歳以上の派遣労働者の場合は、3年ルールの対象外となります。
※原則として、3年目を迎える年に60歳未満の方は3年ルールが適用されます。
③ 有期プロジェクトの場合
3年を超える長期的なプロジェクトの派遣に限り、3年ルールの対象外となります。
しかし、プロジェクト終了までに限りますのでプロジェクト終了と同時に終了になります。プロジェクトが途中で終了した場合もその時点で終了になります。
プロジェクトの期間が変更となったと場合は、3年ルールの例外に取り扱われない場合があります。
3年ルール(抵触日)がリセットされえる【クーリング期間】について
クーリング期間とは?
3年を超えた派遣スタッフは、その後、同じ部署での勤務ができなくなります。
しかし、二度と派遣での勤務ができなくなるわけではなく【クーリング期間】をすぎれば再度、同じ派遣先の同じ部署にて勤務が可能となり、3年ルールがリセットされます。
この【クーリング期間】は、【3ヶ月超】とされているので、
まる3ヶ月と1日がすぎれば、3年ルールがリセットされ、再度派遣での勤務が可能と
なります。
【事業所単位の派遣期間制限】(事業所抵触日)について
派遣先の事業所単位は、派遣先の事業所(派遣先企業の組織単位)で派遣の受け入れから最長3年というが【3年ルール】(3年抵触日)です。
例)
派遣先企業の第一営業部 営業課 に派遣労働者を2022年4月3日から受け入れ場合満3年となる2025年4月2日までしか派遣の受け入れが出来ません。
これは、派遣労働者スタッフAさんが2022年4月3日から勤務開始で
スタッフBさんは2024年10月1日から勤務開始したとしても、
両名とも、2025年4月2日で派遣受け入れ終了となります。
これが、【事業所単位の派遣期間制限】(事業所抵触日)のルールです。
この【事業所単位の派遣期間制限】(事業所抵触日)の除外はありません。
しかし、【部署異動】と【延長】の対応は取ることが出来ます。
まずは【部署異動】について
同じ派遣労働者スタッフBさんを【事業所単位の派遣期間制限】(事業所抵触日)を超えて派遣の依頼をしたい場合は、【部署異動】で可能になります。
上記の【事業所単位の派遣期間制限】(事業所抵触日)例 で記載内容をつかいご説明します。
例)
派遣先企業の第一営業部 営業課 に派遣労働者を2022年4月3日から受け入れ場合満3年となる2025年4月2日までしか派遣の受け入れが出来ません。
これは、派遣労働者スタッフAさんが2022年4月3日から勤務開始で
スタッフBさんは2024年10月1日から勤務開始したとしても、
両名とも、2025年4月2日で派遣受け入れ終了となります。
ここまでは同じ【3年ルール】ですが
このスタッフBさんに継続して勤務してもらいたい場合、現在派遣してもらっている
第一営業部 営業課から総務部や経理部、などに部署を異動することで可能となります。
※しかし、個人抵触日の3年ルールはされますので注意が必要です。
次に、【延長】の対応について
【部署異動】では無く、同じ業務で継続的に勤務してほしい時に【延長】ができます。
延長の方法について
抵触日の1ヶ月以上前に意見を聴取することで延長が可能となります。
意見の聴取先としては、該当する事業所の過半数の労働組合となっている、もし労働組合がない場合は、過半数の代表者が対象となります。この聴取で【延長】の合意が取れれば、【延長】が可能となります。
【事業所単位の派遣期間制限】(事業所抵触日)もリセットされえる【クーリング期間】は同様にあります。
事業抵触日を迎えてから3ヶ月と1日以上派遣の受け入れがなければ、派遣の受け入れが再度可能となります。
▶労働者派遣業の許可性に一本化
労働者派遣事業には、許可制の一般労働者派遣事業と、届出制の特定労働者派遣事業がありましたが、2015年の改正に伴い許可制の一本化されました。
※改正後、特定労働者派遣事業の更新がなくなり
2018年には、特定労働者派遣事業が無くなり一般労働者派遣事業のみとなました。
2015年の改正前
特定労働者派遣事業 55,533事業所
一般労働者派遣事業 18,403事業所
合計事業所数 73,936事業所
2018年
特定労働者派遣事業 0事業所
労働者派遣事業 38,128事業所(旧一般労働者派遣事業)
合計事業所数 38,128事業所
この改正に伴い、事業所数は73,936事業所から38,128事業所になり35,808事業所が統合または閉鎖や倒産、または別の業態への変化したことになります。
▶派遣労働者(派遣スタッフ)の均衡待遇の推進
派遣会社と派遣先企業とで協力し、賃金・福利厚生・教育訓練・キャリアアップなどの待遇を、派遣労働者(派遣スタッフ)と派遣先の正社員とで均等にするための措置が強化されました。
※派遣労働者(派遣スタッフ)と派遣先の正社員の差を無くそうとするはたらきです。
▶雇用安定措置の義務化
派遣会社は、同一派遣先企業の「組織単位(事業所単位)」に継続して3年間派遣される見込みのある派遣労働者(派遣スタッフ)に対して派遣終了後の雇用を継続させる措置(派遣先への直接雇用の依頼や新たな派遣先の提供など)を講じることが義務化されました。
▶労働契約申込みみなし制度
この制度により、派遣禁止業務や期間制限の超過など「違法派遣」への受け入れを派遣先企業が行った場合、派遣先企業が派遣労働者(派遣スタッフ)に対して直接雇用を申し込んだものとみなされるようになり、自動的に派遣先企業がその派遣労働者(派遣スタッフ)直接雇用したとみなされ、雇用条件は、派遣会社と派遣スタッフが契約している条件と同一にする必要があります。
まとめ
2015年の改正について、ここまでお伝えしてまいりました。
はじめにも記載しましたが、特に3年ルールが大きなポイントになると思います。
しかし、派遣法の改正などがあったのか理解したけど「よくわからない」と思わる方は、まず【ヒトクル】にお問い合わせ下さい。
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